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執筆・監修: D-HUB+ 編集部(一次情報: 国土交通省ほか)/最終確認日: 2026-10-21

ドローン業界ニュース2026年10月版|中小事業者が押さえる制度変更と産業動向

点検・測量・空撮・農薬散布などを仕事にしている中小のドローン事業者向けに、制度変更と産業の動きを毎月まとめるシリーズの第1号です。 初回は対象期間を長めにとり、2026年7月1日から10月20日までのニュースを扱います。各項目は国土交通省・警察庁・東京都などの一次情報を開いて日付と内容を確かめ、「何が起きたか」と「中小事業者にとっての意味」に分けて書いています。

結論

  • 2026年7月14日から小型無人機等飛行禁止法の周辺地域がおおむね1,000mになり、8つの対象空港の周辺もおおむね300mから広がったため、空港や重要施設の近くの現場は飛行前にイエローゾーンの確認が必要です。
  • 2026年7月1日から都市計画法の工業専用地域は「人又は家屋の密集している地域」から除かれ、工場やコンビナートの点検ではDIDの許可が不要になる場合があります。
  • 2026年9月29日の審査要領改正で、補助者なしの目視外飛行の経路にやむを得ずDIDを含む場合は、十分な安全確保措置を講じることが条件として明確になりました。

1. 7月14日|小型無人機等飛行禁止法の改正法が施行、周辺地域がおおむね1,000mに

何が起きたか

重要施設の周辺地域の上空における小型無人機等の飛行の禁止に関する法律の改正法(令和8年法律第47号)が7月14日に施行されました。警察庁の案内では、対象施設とその周囲おおむね1,000mの周辺地域(イエローゾーン)の上空での飛行が禁止され、対象施設には特別要人の所在施設や国際会議の会議場施設等が加わりました。国土交通省の告示では、新千歳・成田・東京国際・中部国際・大阪国際・関西国際・福岡・那覇の8空港の周辺地域が、おおむね300mからおおむね1,000mに広がっています。

中小事業者にとっての意味

空港や重要施設から1km以内の現場は、以前は対象外でも今は手続が必要な場合があります。例外に当たる飛行でも、周辺地域で飛ばすには都道府県公安委員会等への通報が必要で、国土交通省はこれがDIPS2.0での航空法上の通報とは別の手続だと注意を促しています。範囲は地理院地図で確認できます。詳しくは飛行禁止区域1km拡大の解説をご覧ください。

出典:警察庁 小型無人機等飛行禁止法関係(施行日、おおむね1,000m、追加された対象施設、通報手続)/国土交通省告示第813号(対象空港の周辺地域、令和8年7月14日から適用)/国土交通省 無人航空機 最新情報(2026.07.03 対象空港周辺の拡大、2026.07.06 イエローゾーンのデータ入替)

2. 7月1日|工業専用地域を「人又は家屋の密集している地域」から除外(適用開始)

何が起きたか

国土交通省は、2026年3月31日付の告示第435号で、都市計画法の工業専用地域内の区域を、地上・水上の人と物件の安全が損なわれるおそれがない区域として定め、7月1日から適用しました。人口集中地区(DID)の中でも工業専用地域の部分は、人又は家屋の密集している地域の飛行許可が不要になります。告知は6月30日に飛行許可・承認手続のページで行われました。

中小事業者にとっての意味

コンビナートや工場の点検で、DIDの許可を取るために包括申請を広げていた事業者は、現場が工業専用地域に収まるかを自治体の用途地域図で確かめる価値があります。DIDを含む経路図を添付してDIDの許可を申請しない場合は、地図上か備考欄に「経路上のDIDは、工業専用地域であることを確認済み。」などと書くよう案内されています。夜間や目視外など、別の特定飛行に当たる場合の許可・承認は引き続き必要です。

出典:国土交通省告示第435号(工業専用地域、令和8年7月1日から適用)/国土交通省 無人航空機の飛行許可・承認手続(2026.06.30のお知らせ、申請時の注意点)/国土交通省 無人航空機の飛行禁止空域と飛行の方法(人又は家屋の密集している地域)

3. 9月29日|レベル3.5の経路にやむを得ずDIDを含む場合の扱いを明確化

何が起きたか

国土交通省は、カテゴリーII飛行の許可・承認の審査要領を改正し、補助者を置かない目視外飛行で、やむを得ず人又は家屋の密集している地域の上空を経路に含める場合の扱いを明確にしました。改正後の審査要領では、その場合に第三者と物件への危害を防ぐ十分な安全確保措置を講じることとされています。あわせて、安全な飛行のためのガイドラインとレベル3.5飛行事例集も更新されました。

中小事業者にとっての意味

河川や山林の点検ルートが一部だけDIDにかかるために、補助者の配置をあきらめていた事業者には検討の余地が出ます。ただし「DIDでも自由に飛べる」という改正ではないため、事例集で同じような経路の安全確保措置を確認してから申請を組み立ててください。レベル3.5の要件はレベル3.5飛行の解説にまとめています。

出典:国土交通省 無人航空機の飛行許可・承認手続(2026.09.29のお知らせ)/国土交通省 審査要領(カテゴリーⅡ飛行)令和8年9月29日最終改正/国土交通省 レベル3.5飛行事例集

4. 7月7日|無人航空機の飛行の安全に関する教則(第5版)を公開

何が起きたか

国土交通省は教則の第5版を公開しました。表紙では公布日が7月7日、適用日が7月14日とされています。改訂履歴には、保険の付保範囲拡大の反映、工業専用地域での飛行がDID規制の対象外になったこと、一定の要件を満たす農薬等の空中散布で承認申請が不要になったこと、技能証明の更新申請期間の見直し、小型無人機等飛行禁止法の改正内容が挙がっています。

中小事業者にとっての意味

社内の安全教育資料や新人向けの説明が旧版の記述のままになっていないか、この5点を見直すとよいでしょう。第5版では、技能証明の更新は満了日の6か月前から1か月前までに申請し、更新講習は申請日以前3か月以内に修了すると書かれています。学科試験がどの版で出題されるかは、指定試験機関の案内で確認してください。

出典:国土交通省 無人航空機操縦者技能証明等(2026.07.07 教則第5版の公開のお知らせ)/国土交通省 無人航空機の飛行の安全に関する教則(第5版)

5. 7月28日|クマ対策の飛行が捜索・救助の特例の対象となり得ることを再周知

何が起きたか

国土交通省は、航空法第132条の92の特例(国・地方公共団体やその依頼を受けた者が捜索又は救助のために飛行させる場合の特例)の対象となり得る事例を改めて周知しました。クマが目撃されていなくても、出没の可能性が高く予防のために緊急性がある飛行は対象となり得ると補足しています。例として、近隣自治体での目撃情報や大型動物の足跡の発見が挙げられています。

中小事業者にとっての意味

特例を使えるのは国・自治体か、その依頼を受けた者です。自治体からクマ対策の飛行を頼まれたときは、依頼を受けたことを記録に残し、運用ガイドラインにある安全確保の方法(空港周辺や150m以上の空域での関係機関との調整など)を自主的に行う前提で受けてください。

出典:国土交通省 無人航空機 最新情報(2026.07.28のお知らせ)/国土交通省 航空法第132条の92の特例適用の対象となり得る事例/国土交通省 航空法第132条の92の適用を受け無人航空機を飛行させる場合の運用ガイドライン

6. 9月16日|認定UTMサービスプロバイダに初めてIDを付与

何が起きたか

国土交通省は、航空局の要件を満たすドローンの運航管理サービスプロバイダ(認定USP)として、株式会社NTTデータとKDDIスマートドローン株式会社に初めてIDを付与しました。運航管理(UTM)を段階的に導入する取り組みの初期段階で、認定USPのシステムを使った飛行計画の調整支援などを実現するとしています。基準は2026年3月31日に定めた審査要領で示されています。

中小事業者にとっての意味

同じ空域で他社と飛行計画が重なったときの調整は、これまでDIPSの重複通知を受けて運航者どうしがメールなどで行う形でした。物流や広域点検で飛行頻度が高い事業者ほど影響が大きい話なので、取引先や元請けが認定USPのサービスを使い始めたかどうかを聞いておくと準備がしやすくなります。

出典:国土交通省 報道発表(2026年9月16日)認定事業者によるドローンの運航管理サービスを開始/同 報道発表資料(PDF)

7. 9月4日|令和8年熊本地震の被災地域で技能証明・機体認証・機体登録の期限を延長

何が起きたか

国土交通省は、令和8年熊本地震を受け、特定被災地域(熊本市、八代市、益城町など21市町村)に住所がある人について、無人航空機操縦者技能証明と機体認証の有効期間を2027年1月27日まで延長しました。機体登録についても、同じ対象者の有効期間を2027年1月27日まで伸長するとしています。

中小事業者にとっての意味

対象は特定被災地域に住所がある人に限られます。対象地域外の事業者は通常どおりの期限で更新が必要です。対象に当たる場合も、延長後の期限を自社の期限一覧に書き換えておかないと、2027年1月に更新が集中します。

出典:国土交通省 無人航空機 最新情報(2026.09.04のお知らせ、対象市町村)/国土交通省告示第1113号(延長後の満了日)

8. 7月21日|規制改革実施計画にドローンの社会実装促進が盛り込まれる

何が起きたか

7月21日に閣議決定された規制改革実施計画に、「無人航空機(ドローン)の社会実装の促進」の項目が入りました。国土交通省には、VTOL型や飛行機型のドローンの技能証明の実地試験で手動操縦や滑走路での離発着を求めない方向の検討、やむを得ない場合にDIDでのレベル3.5飛行が可能であることを審査要領に書くこと、事例集への運航事例の追加などを求めています。総務省には5.8GHz帯の実験試験局の手続の見直しなどを求めています。

中小事業者にとっての意味

実施計画は「検討し、結論を得次第措置する」といった形で期限や方向を定めたもので、閣議決定の日にルールが変わるものではありません。9月29日の審査要領改正は、この計画のレベル3.5に関する項目と重なる内容です。残りの項目も、実際に通達や規則が改正された時点で本シリーズで取り上げます。

出典:内閣府 規制改革実施計画(令和8年7月21日閣議決定)

9. 10月16日|東京都、都市部のドローン物流の社会実装事業で2つのコンソーシアムを決定

何が起きたか

東京都デジタルサービス局は、都市部でのドローン物流サービスの社会実装促進事業に参加する2つのコンソーシアムを選びました。臨海部(豊洲・晴海・木場)はNEXT DELIVERYを実施主体にエアロネクストと大和ハウス工業が、内陸部(板橋)はProdroneを実施主体にLe Ciel DRONEとバウンダリ行政書士法人が参加します。今年度はレベル4を見据えたレベル3.5の飛行実証を行い、都は補助率1分の1で令和8年度最大3,000万円、令和9年度最大5,000万円を支援します。

中小事業者にとっての意味

都市部の物流は、大手と自治体が組む実証の段階が続いています。一方で、内陸部のコンソーシアムには行政書士法人が入っており、許可申請や関係者調整の実務が事業の柱として扱われている点は、申請代行や地域の運航を担う中小事業者にとって参考になります。物流の基本はドローン物流の解説をご覧ください。

出典:東京都 報道発表(2026年10月16日)都市部でのドローン物流サービスの社会実装促進事業に参画するコンソーシアムが決定

10. 10月14日|DJI、バッテリー自動交換に対応したDJI Dock 4とMatrice 5TDを発表

何が起きたか

DJIは、同社のドックとして初めてバッテリーの自動交換に対応したDJI Dock 4と、専用機体のMatrice 5TDを発表しました。同社の発表では、交換は25秒、1回の飛行は最大59分で、ミリ波レーダーや回転式LiDARなどで障害物を検知するとしています。用途には公共安全、緊急対応、遠隔でのインフラ点検、夜間警備、測量が挙げられ、販売はDJI Enterpriseの正規販売店経由で、価格は発表に記載がありません。

中小事業者にとっての意味

数値は管理された環境での測定値だとDJI自身が断っています。ドック型の遠隔運航は、目視外飛行の許可や現場の立入管理の設計とセットで考える必要があるため、導入を検討するなら、機体の性能より先に、どの飛行の許可・承認が要るかを販売店と整理してください。

出典:DJI Enterprise ニュースリリース(2026年10月14日)DJI Dock 4

11. 対象期間の直前(2026年6月)の主な動き

対象期間より前ですが、7月以降の実務に影響するため短く記録しておきます。

さらに前の背景として、2025年12月18日施行の審査要領改正で、ホームページ掲載の講習団体等の技能認証やホームページ掲載機による申請手続の省略運用が廃止されています。包括許可の更新の注意点はドローン事業者の更新期限一覧にまとめました。

12. 来月までに確認すること

補助金の日付は、中小企業基盤整備機構の公募スケジュール(2026年10月19日更新)で確認したものです。ドローンの購入やソフトの導入が対象になるかどうかは補助金ごとの公募要領で決まるため、申請前に各事業の公募要領を確認してください。

期日確認すること
2026-10-30(金)デジタル化・AI導入補助金(通常枠ほか)第6次と、複数者連携デジタル化・AI導入枠 第3次の申請締切
2026-10-30(金)新事業進出・ものづくり補助金 第1回の申請締切(9月30日から変更)
2026-11-05(木)小規模事業者持続化補助金(通常枠)第20回の申請受付開始。締切は2026-12-15(火)17時
2026-12-01(火)デジタル化・AI導入補助金(通常枠ほか)第7次の申請締切
2027-01-27(水)熊本地震の特定被災地域に住所がある人の、技能証明・機体認証・機体登録の延長後の期限
飛行のたび空港や重要施設から1km以内の現場は、地理院地図でイエローゾーンを確認し、必要なら小型無人機等飛行禁止法の通報を済ませる

飛行禁止の範囲そのものの調べ方はドローンの飛行禁止エリアの確認方法で解説しています。

13. D-HUB+で機体と期限を管理する

制度が変わる月ほど、現場ごとの確認と期限の管理が増えます。D-HUB+は、ドローンの飛行計画から飛行ログ、機体管理までをWebブラウザで扱えるアプリです。

  • 飛行計画:離着陸地点からDID(人口集中地区)を自動判定し、計画ごとに飛行前チェックリストを自動生成して確認状態を保存できます。DIDの判定は人口集中地区についてのもので、工業専用地域かどうかや小型無人機等飛行禁止法のイエローゾーンは、用途地域図と地理院地図でご自身で確認してください。
  • 機体の管理台帳:機体登録日を入れると、登録の有効期限の目安と残り日数が表示され、期限の60日前・30日前と期限切れにアプリ内でお知らせします(正式な期限は国土交通省の登録ポータルで確認してください)。
  • 期限つきToDo:技能証明・許可・保険などの期限や、この記事のチェック表にある補助金の締切を自分で登録して管理できます。期限を自動で取得する機能ではありません。

オープンβ期間は全機能無料で、Googleアカウントで登録できます。複数の機体と現場を回す事業者での使い方は中小ドローン事業者向けの使い方にまとめています。

14. よくある質問

工業専用地域ならDIDの許可なしで飛ばせますか?

2026年7月1日から、都市計画法の工業専用地域内の区域は「人又は家屋の密集している地域」から除かれ、その部分の飛行には人口密集地上空の許可が不要です。夜間や目視外など別の特定飛行に当たる場合の許可・承認、空港周辺などの空域の許可、小型無人機等飛行禁止法の手続は別に必要です。

飛行禁止区域の1,000m拡大は、DIPS2.0の飛行計画の通報で済みますか?

済みません。小型無人機等飛行禁止法の周辺地域で例外として飛ばす場合の都道府県公安委員会等への通報は、DIPS2.0での航空法上の通報とは別の手続だと国土交通省が案内しています。通報は警察署の窓口のほか、e-Gov電子申請でも行えます。

教則の第5版では何が変わりましたか?

改訂履歴では、保険の付保範囲拡大の反映、工業専用地域でのDID規制対象外の追記、一定の要件を満たす農薬等の空中散布で承認申請が不要になる旨の追記、技能証明の更新申請期間の見直し、小型無人機等飛行禁止法の改正内容の反映などが挙げられています。公布日は2026年7月7日、適用日は7月14日です。

このニュースまとめはいつ更新されますか?

毎月更新します。前月号・次月号は記事一覧の「業界ニュース」から探せます。各項目は公開日時点で国土交通省などの一次情報を確認した内容で、申請の前にはリンク先の最新の資料を確認してください。

参照元・更新情報

最終確認日: 2026-10-21

このまとめは毎月更新します。前月号・次月号は記事一覧の『業界ニュース』から

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